⁡11:45新大阪発 のぞみ16号 東京行
蒸し暑い27番ホームから乗り込んだ。
急遽大阪へのひとり旅を決め、決行。
3泊4日大阪の旅。その帰りである。

車内販売のカツサンドを頬張りながら、涙が溢れて止まらない。新幹線に乗ったのは6年振り。6年前までは仕事でしょっちゅう新幹線や飛行機に乗っていたけれど、パニック障害・うつ病を経て双極性障害(Ⅱ型)を発症してからはあまり遠出ができなかった。

食べられず眠ることもできず、マッチ棒みたいにガリガリになった体を布団に横たえて、時が過ぎるのをひたすら耐えていたあの頃。6年後、自分が生きているなんて思っていなかった。それもちょっとふくよかになって!(ダイエットしなきゃ!)まして大阪まで一人で行って、たくさんの方にお会いして、ピアノのコンサート会場まで決めてくるなんて考えられないことだった。

縁もゆかりも無い土地に赴いて、気付かされたことはそれだけではない。

「健康なフリをして能天気に生きているフリをすること」にも耐えられなくなっている。

病気があり、薬を飲み、どうにか生きている。体調には波があって、健康だった頃ほど上手く心や体を動かせない。それ故に焦ってしまう。でも、そんな私は生涯をかけて音楽をしたいと思っている。

「音であなたを抱きしめたい」なんて言ってきたけれど、本当に抱きしめたいのは自分。自分を慰め叱咤するために音楽を作っているのだ。

誰かのために音楽を作るなんておこがましいと思うことは多くある。どう感じるかは聞いてくださる方が決めること。⁡⁡分かってはいるのだけれど、やっぱり私は、かつての私のような思いをしている方をあわよくば抱きしめられればと思っている。本当におこがましいと思う。でもそうせずにはいられない。

それから、生演奏を聴いていただく時間や空間を少しづつ増やしたい思っている。私は東京に住んでいるけれど、日本各地に出向き、そこで出会った方と同じ空間を醸成したいと考えている。短期的に見れば遠征費のかかる活動は利益もほとんど出ないだろうし、演奏家としての活動の他に職業作曲家としての活動も増やしていかなくてはならないだろう。シビアに見ていかなければならない部分は多分にある。

一方で、長期的に見た時に日本・世界の各地の人と時間と空間を醸成した経験は、新たな価値観を私にもたらすだろうと考えている。私はそれがどんなものなのか、とても興味がある。

残りの人生、丁寧に、しぶとく命を燃やしたい。⁡